睡眠不足で筋トレが台無しに

睡眠不足で筋トレが台無しに

睡眠には、日中活動して疲れた脳や体を休めて回復する働きがあります。また、睡眠中は、傷ついた細胞を修復したり、病原体を退治する免疫物質をつくったりと、体のメンテナンスも行われています。また、日中に見たことや学習したことを脳に定着させたり、整理したりするのも睡眠の効果。睡眠は、心身の疲れを癒やしてさまざまな機能を回復するために欠かせません。
そして筋トレの効果を最大化するためにも睡眠は欠かせないので、今回は睡眠と筋トレの関係について紹介していきます。

目次

睡眠不足で筋力が下がる

誰しも睡眠不足の日は身体がだるかったり、力が出なかったりした経験があると思います。このことからも想像できるとおり、睡眠不足は筋肉の十分な合成が行われず、筋肉が成長しませんし、筋力も低下します。特に2つの関節をまたぐ大きな筋肉(大胸筋、ハムストリングスなど)ほど筋力低下の影響を受けるようです。
筋肉のエネルギーとなる筋グリコーゲンが睡眠不足だと減少してしまうことも筋力低下につながります。

Inadequate sleep and muscle strength: Implications for resistance training
睡眠不足と筋力:筋力トレーニングへの影響

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1440244018300306

Intermittent-Sprint Performance and Muscle Glycogen after 30 h of Sleep Deprivation

30 時間の睡眠不足後の断続的なスプリントのパフォーマンスと筋グリコーゲン

https://journals.lww.com/acsm-msse/fulltext/2011/07000/intermittent_sprint_performance_and_muscle.22.aspx

睡眠不足はダイエットにも悪影響

睡眠時間が不足したり、まとまった睡眠時間がとれていなかったりすると、食欲にかかわるホルモン分泌に異常をきたします。具体的には、「食欲抑制ホルモン(レプチン:満腹中枢を刺激して食欲を抑制したり、エネルギー代謝を活性化したりする)」の分泌量が減り、反対に「食欲増進ホルモン(グレリン:食欲を増進させ、脂肪蓄積を促す)」が増加し、必要以上に食べてしまい、肥満につながります。
また、食事量と運動量を同じにした人で比較すると睡眠時間が短い人の方が筋肉がつきにくく体脂肪が蓄積されたという研究報告もあります。

Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity

睡眠不足は肥満を軽減するための食事の努力を台無しにする

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20921542/

Acute sleep loss results in tissue-specific alterations in genome-wide DNA methylation state and metabolic fuel utilization in humans

急性睡眠不足は、ヒトのゲノム全体の DNA メチル化状態と代謝燃料利用に組織特異的な変化を引き起こす

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6105229/

7時間が目安

7時を指す時計

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保するよう推奨しています。
また、睡眠不足が慢性化すると、肥満や高血圧、心疾患などの発症リスクが上昇し、死亡率にも影響します。日本人を対象にした睡眠時間と死亡リスクを調べた結果によると睡眠時間7時間前後が最も死亡リスクが少なかったという結果が出ています。
必要な睡眠時間は個人差があるので、7時間を目安に自身に合った睡眠時間を探るのがいいでしょう。昼間に眠気がある場合は睡眠時間が足りていない可能性が高いです。

The Association Between Habitual Sleep Duration and Mortality According to Sex and Age: The Japan Public Health Center-based Prospective Study

習慣的な睡眠時間と性別および年齢別の死亡率との関連: 保健所ベースの前向き研究

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7813766/

まとめ

心身の健康を保 つための三要素は、適度な「運動」、バランスの取れた「食生活」、疲労回復のための「休養(睡眠)」とされています。身体づくりやダイエットをしようとすると、運動や食事に意識が行きますが、睡眠にも意識を向けて健康で充実した生活を送りましょう。

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この記事を書いた人

青森市中央のパーソナルジムANBEE GYMの代表。
自身のパワーリフティング競技経験や現場で身につけたトレーニングやストレッチの知識・技術で、健康に動けるあんべいい身体をつくることに力を注いでいます。

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